万引き家族

万引き家族
見てきました。

パルムドールにふさわしいすばらしい作品でした。

映画 って、余白芸術 だとボクは思います。

余白芸術 なんて言葉を使っている人はあんまりいないかもしれません。

だけどボクは本当にそう思います。

 

描かれていないところに受け手がどんな想像をするのか。

描かれていることよりも描かれていないことが大切なんですね。

何もかもを描いている映画はあまり優れた映画ではないと思います。

 

受け手が埋める余白のために、描くことを抑えてある映画が優れた映画なんだと思います。

この余白の量を絶妙にコントロールできる監督が優れた映画監督なんだと思います。

 

もちろん、余白があるのがいい映画なんだ、描かれていることよりも描かれていないことのほうが大切なんだ、なんていっても、映画本編になんにも描かれていないのであれば、それはあまり優れた映画ではありません。

それだと想像するための源泉が刺激されないからです。

 

大切なのは 余白それ自体 ではなく、観客が想像することができ、かつ 余白 があること です。

描かれていることがなんにもなかったら、そもそも想像するための元手がないから観客はなんにも想像できません。

描かれていることがあんまり稚拙だったり、貧困だったりしても、観客は想像力を刺激されず、こんな映画のストーリーには付き合ってられない、こんな登場人物たちにあれこれ思いを巡らすのはバカらしい、となってしまいます。

余白の量を絶妙にコントロールできるとはそういう意味です。

 

この意味において是枝監督は文字どおりに世界最高峰の映画監督です。

ボクも是枝監督のすべての作品を追っているわけではありませんが、万引き家族 は、誰も知らない、奇跡、そして父になる、海街 diary といった作品を撮ってきた 是枝監督 の 集大成的な作品 だと思いました。

 

ドキュメンタリー的リアリズムはなぜ映画として優れたものになるのか。

それはスクリーンに映し出される画質のリアリティー自体によってもたらされているというよりは、ドキュメンタリックな演出で撮ることによって、ストーリー的な面ではむしろ描かれることの量が抑えられ、あるいは断片化され、受け手が想像する 余白 が生まれるからだと思います。

 

万引き家族 を気になっているかた、見るかどうか迷っているかたへはぜひともお薦めします。

解説動画などもネットにはたくさん上がっています。
こちらの松崎健夫さんのものをボクはお薦めします。
万引き家族 の部分は 2:00:00 のあたりからです。

 

そして見たかたで、 スイミー ってなんなのか気になったかたはこちらもどうぞ。

スイミー – ちいさなかしこいさかなのはなし

 

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