movie 2019 ranking my
2019年はそれなりに映画をみられたかなぁ
という思いもあるので ランキング記事をアップ
上位作品は それぞれその映画の 主題 あるいは そのジャンル において
最高クオリティに達している作品 と思います
なので順位は ボクの好みの 主題の順 かな
1. 空の青さを知る人よ
すばらしいと思いました
大人向け R30 くらいですね
岡田麿里さんは 当代最高峰の脚本家 だと ボクはまったく疑いません
向き合うべきは他の何ものでもなく 自分だということ
自分の弱さを認めることがいちばん難しく そして 勇気も痛みもいること
けれども それは 逃げてはならず 乗り越えなければならないものであること
この相克を しっかりと描いている
おわるタイミングも最高に優れていていました
音楽を題材とした映画だからといって
ステージ演奏の場面をクライマックスにするわけでなく
ストーリーとして描くべきものを描ききったなら そこでおわるんだ
っていう
堪能いたしました
ほんとうにすばらしいと思いました
2. Joker
善悪は主観だ
主人公のジョーカー は終盤のシーンでいいます
ボクはこのシーンは白眉だと思います
ホアキン フェニックス の演技 そして ロバート デニーロ とのアンサンブルも相まって 白眉になっています
ちょっと難しい感じの引用をしますと
哲学者のウィトゲンシュタインは
幸福な人の世界 は 不幸な人の世界 とは 別の世界である
という言葉をいいました
まさしくそれです
こういってしまっては酷だとは思いますが
理解し合おうとすること自体がそもそも無駄だ
ということです
こういうことを描いた映画をボクは他に知らないです
もしかしたら こういうことを描いた他の作品はあるのかもしれないけど
もともとあるジョーカーのキャラクターの力を借りているとはいえ
こういうことを描いた作品をヒット作にした
というのがすごいことだと思います
こういうことは通常は哲学の分野でしか語れないことだと思うからです
物語に描けることには限界があり,
道徳や倫理, 善悪をメタ的に問い返すようなものは物語では描けません
仮にそういう作品を作っても, ヒットすることはありません
( 例えば ニーチェ の書いた ツァラトゥストラかく語りき は 初版時にはまったく売れていませんし, 現代においても 通常の物語小説として読まれているわけではありません )
映画ジョーカー に のれなかった人 は
のれなかった理由 をもごもごいっているなぁ
という印象です
もごもごいうしかないのは 善悪は主観だ というのが真だからです
理由をちゃんといおうとすると 自分の欺瞞性が何かしらあらわになってしまうからです
本音は, 弱者の人生のことなんて知らんよ
ということなんですけど
それをそのままはいえない
なぜなら そうであるならば
弱者のほうだって 強者の人生のことなんて知らんよ
となり
だから 問答無用でぶち殺します
となったって 何もいえないからですね
こういうことを 作品の全体として表現し かつ 多くの人にみせた
ということがすばらしいのだと思います